パッシブ冷暖のこだわりと安井建設の家づくり
ここ最近、この「床下エアコン」と呼ばれるシステムが大きな注目を集めているのですが、この「パッシブ冷暖」において何よりも特徴的なのは、一定のレベルのパッシブデザインを行うことを前提に、そこで得られる「小さいエネルギーで冬暖かく、夏涼しい」をさらに高いレベルに持っていくことを大目標にしているところです。
したがってこの「パッシブ冷暖」を採用するためには、断熱性能、夏の日射遮蔽性能、冬の日射取得性能を一定のレベルにすることが条件となります。安井建設が「パッシブ冷暖」に惹かれたのはまさにこれが理由です。私たちの考え方や方向性とまさしくぴったりです。また「パッシブ冷暖」を導入する際には、必要に応じて開発本部側が詳細な熱計算ができるシュミレーションツールを使ってシュミレーションを実施してくれます。
このツールは最適な温熱環境(暖涼感を決める環境)を検討する上で、現在もっとも詳細で信頼性が高いツールという評価を得ているものです。
パッシブ冷暖とは?
「パッシブ冷暖」を簡単に言えば、床下空間を利用して、エアコンで冷暖房するシステムのことです。
まず暖房から説明すると、「床下空間」を暖めることで、足元から暖かくなるという高い快適性が得られるところが大きな特長です。最近ではエアコンで暖房する家庭も増えてきましたが、その温風を心地よく感じない人も多いのです。また最近のエアコンは暖房設備の中でもっとも効率がよく、その省エネルギー性を活用することができることも特長のひとつです。当然、暖房にかかる光熱費も安くて済みます。
ちなみに一般的な床暖房システムは暖房エネルギー消費量(暖房光熱費)がある程度大きくなってしまうものです。次に冷房ですが、床下空間をある程度冷やしながら、冷熱を壁の上部に持ってくる工夫によって「冷たい空気は下に降りる」という原理を活用します。この結果、ほとんど冷暖房の風を感じることなく、極めて高い快適性が得られることになります。
“やわらかな冷暖房”という表記が適切かもしれません。
パッシブ冷暖のシステム概要
パッシブ冷暖では、エアコンから出る温風や冷風を、工夫された装置とダクトを使って床下に送り込みます。
そして床にはガラリを設け、ゆっくりとファンを回して床下の空気が室内に出てくるようにします。
そのときその風はほとんど感じません。
また必要に応じて(基本的には冷房時を想定)壁にもガラリを設け、ファンによって床下の空気をその壁ガラリから室内にゆっくりと出てくるようにします。
床下エアコンにおいて何より課題になるのが「場所ごとの温度ムラをどうなくすか?」ということなのですが、「パッシブ冷暖」ではエアコンの温風・冷風を床下に送り込むダクトの配置などをしっかり検討することでこの解決を図っています。ただ単純に床下エアコンを設置するだけでは、場所ごとの温度ムラができてしまう可能性が高いのです。
「パッシブ冷暖」は床下エアコンの原理的な優位性を考えつつ、できる限りシンプルなシステムで、床下エアコンにおける課題を解決しようとするものであると言えます。
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