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ITO Yoshiko
伊藤 由子
住宅は、ご家族が⻑く住まわれる場所です。
設計は、住まわれる方の将来を見据えた視点がとても重要だと考えています。
外観デザインは、
あまり流行にとらわれてしまうと数年後に違和感を感じさせてしまうこともあるので、環境や周囲の風景に溶け込むように。
逆に、室内では、
冬に暖かく夏には涼しく過ごしたいという感覚は
ずっと変わらないものではないでしょうか。
年月が経っても快適性を⻑く保てる住空間であれば、
建ててよかったなと実感できますよね。
周辺環境を踏まえて設計することも大切です。
敷地の南側が開放的で、隣家が近くに無ければ、
南側の大きな窓で冬でも、ふわっとした太陽の暖かさを取り込めます。
すぐ南側に隣家が建っていれば、
吹抜けをつくって二階からそそぐ太陽の熱と明かりを一階へ取り込みます。
もちろん適切な断熱性能を確保することは必須です。
家を建てる場所がもつ特性を理解して、
上手に活かせたら、より心地よい住まいにできると考えています。
暮らし方の理想や制約、かくれた生活の本質を探りながら、
プランへと反映していきます。
そして、料理で言う、スパイスのアクセントも欠かせません。
私自身が3人の子育てで気づいた、
間取りの工夫やワクワクした暮らしができるような
いつまでも笑顔で幸せが続く快適な住空間をご提案できるよう努めています。
子供の頃から、衣食住の生活に関わることが好きでした。
今でも料理や編み物が大好きです。
私が建築士として、人が暮らす空間にとても関心をもっているルーツかもしれません。
自分が目にしたものや体感したものをヒントに、
新しいものが生まれると思っています。
現場監督しての経験も活かし、
現場に足を運んで実際に建物を見ることも、自身の感覚や発想の源となっています。
USAMI Yoshifumi
宇佐美 喜史
設計で重視していることは、暮らしが豊かになる視点です。
人が感激する斬新なデザインでも、
暮らしが快適でなければ家ではないですよね。
例えば、建築のサイズには固定観念があるんです。
個室は6畳や8畳、リビングは広ければ広い方がいい、といったものです。
他にも建材の効率的な使い方から寸法が決まってるものもあり、
代表的なものは天井高2400㎜といったものがあります。
もちろん生活には不足はないですが、
住まい手の視点で見た場合、
本当にそれが居心地のいい空間を造っているのかを
疑問に感じることが多々あります。
住む人が「広く感じる」「居心地がいい」という感覚を
認識できることが重要だと思います。
住む人それぞれで違う感覚を落とし込んだ設計をすることで、
一般的な大きさよりは小さくなるけれど、
暮らしとして実用的には変わらないといったこともあるのです。
設計は理屈だけじゃなく、体感も大切だと考えます。
自然の絶景をみて感動したり、
建築物を見学してなぜ魅力的なのかを深堀りしたり。
体感を紐解いていくと、
明るさとか空間の使い方に関心が向き、
それらを住宅に落とし込んだとき、
どんどん新たな発想が浮かんでくるのです。
建築士として知識や体感を活かすことも大切ですけれど、話しやすい空気づくりも重要だと考えています。
思い描く暮らし方の本質を引き出せなければ、
最適な空間の表現にはいきつかないと思っているからです。
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