私は大学卒業後に大阪の建設会社に就職し、
甲子園の近くの寮で生活をしていたのですが、
そこで阪神淡路大震災に被災しました。

地震直後の街はまるで戦争の後のよう。

電気がない夜は真っ暗闇。
焚火で暖をとっている人たち。
車の中で過ごしている人たち。
家を失い避難所で生活している人たち。

その光景を目の当たりにした時、

「家は命を守ること」

が最重要なのだと実感し、
今の私の家づくりの信念になっています。

今でも大地震前に建てた古い家、
地震に弱い建物は街中に溢れています。

震災を経験した私にとっては他人事ではなく、
地震に強い家をつくることは私の使命だと感じています。

当社では耐震リフォーム事業を立ち上げ、
既存住宅の耐震化に真剣に取り組んできました。

その結果、当社の耐震技術は、
毎年のように新聞やテレビのニュースで取り上げられるようになりました。

けれども数多くの新築やリフォームに携わり、
たくさんのお客様と関わって湧いてきた疑問。

「家ってなんだろう？」

「何のために家を建てたり、リフォームしたりするんだろう？」

「地震に強いだけでいいのだろうか？」

自問自答し、多くのお客様やスタッフと話をしていく中で、
ふと頭に浮かんだ言葉。

「人生を豊かに過ごすために家を建てる」

そのためには安心安全は必須ですが、
それと合わせて安らぎ、喜び、楽しみなど、
豊かさが大切だと気づきました。

仕事や身体の変化、
家族の成長などで生活や環境が変わり、
それに伴い豊かさも変化していきます。

家も耐震性だけでなく、
断熱性、省エネ、水まわり、間取りなど、
時代に合わせて進化しています。
しかしそれとは逆に、
過ごした年数により蓄積される、
数多くの大切にしたい想い出。

時代に合った耐震性、断熱性、間取りと、
昔からの家の想い出を大切にするという、
両方を兼ね備えた家づくりの実現。

それが物心ともの豊かさを形にするリノベーションです。

しかし、リノベーションすれば100年以上住み続けることができる家が、
数十年で建て替えられている現状があります。

リノベーションはまだまだ知られていないのです。

建替えに比べて費用も抑えることができ、
人生を豊かにするためのゆとりも生まれるのならば、
リノベーションという選択は賢明だと思います。

大地震で被災し、
新築も耐震リフォームも経験してきた私のこれからの使命は、
リノベーションの認知と普及です。

「人生を豊かに全うする家づくり」

を目指していきます。